福井市街観光を早々に切り上げて向かったのは、一乗谷朝倉氏遺跡です。
一乗谷は福井市内にありますが、福井市街とは全く別の歴史があります。
ほんとは去年の北陸ツーリングの時に訪れるつもりでした。

一乗谷は室町時代から約100年間、朝倉家5代にわたって繁栄した城下町でした。
場所はここ。↓

元々、朝倉氏の初代・朝倉広景は、今の福井市内にあった黒丸城が居城だったようです。
この黒丸城は今では跡形もなくなっていて、黒丸城町という地名だけが残っています。
第7代の朝倉孝景の時に黒丸城から一乗谷に居城を移したそうです。
ちょうど京都が応仁の乱でメチャクチャになってた時です。

↓これが一乗谷。

道の左側が一乗川。右側が住居跡です。谷に沿って1.7kmにわたって城下町が形成されていました。

しばらく進むと、遺跡として整備された場所があります。

1995年に城下町の街並みが復元されたものです。19年前ですね。新しいです。決して歴史的建造物ではありません。
入場料210円を払って、中へ入ります。

↓これが城下町のメインストリート。

城下町なので、武家屋敷だけじゃなく、町民の住居も混在しています。
左側が主に武家屋敷エリア。

↓復元された武家屋敷もあります。

復元されているのはほんの少しで、大部分は↓このように当時の遺構が残っているだけです。

さらにメインストリートを進みます。

右側に並んでいるのは商店です。この町の商店街ですな。
この中で一軒だけは染物屋であることが判明しています。多くの染料が出土したからでしょう。
それ以外は何屋さんだったのか不明です。

応仁の乱で京都の町が破壊された時、ずいぶん都から一乗谷に人が逃げてきたようで、最大で一万人ぐらいの人口があったそうです。なので当時は、北ノ京とも呼ばれたらしい。←北京ではありません。

しかし、平和だったこの町も織田信長の軍勢に滅ぼされ、消滅してしまいます。
100年だけの都という点では、奥州・平泉と一緒ですね。
平泉は藤原氏滅亡後も町が存続しましたが、一乗谷は朝倉氏滅亡後、土砂に埋もれてしまいました。
歴史の刹那を感じます。

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さて、時刻も正午を過ぎてしまったので、そろそろ観光を切り上げねばなりませんが、
もう一つだけ、タウンマップに載ってた気になるスポットへ寄っていきます。
それは、一乗谷をさらに上流へさかのぼって行ったところにありました。

↓これです。

剣豪・佐々木小次郎生誕の地。
1612年、宮本武蔵と巌流島で決闘した（そして負けた）剣士です。
生年は定かではありませんが、安土桃山時代とされているので、一乗谷の都が消滅した少し後になりますね。

生誕の地といっても、別に生家が残っているわけではありません。
あったのは、↓これでした。

かっこいい銅像が建っていますが、誰がモデルなんですかね？
奥に滝があるようなので行ってみます。

これが一乗滝。佐々木小次郎が修行をしたと言われる場所です。
何をどう修行したのかは知りませんが、秘剣「つばめ返し」はここで編み出された剣術だそうです。
「つばめ返し」がどんな技だったのか詳細はわかりませんが、刀を縦に振り下ろすのではなく、横に振るのではないかという説があります。しかも当時の剣術は、一撃必殺が常識だったのに、つばめ返しは一撃目はダミーで二撃目で仕留める二撃必殺だったんではないかと。
まぁ誰も見た人はいないし、記録もないようなので、この辺は想像して楽しむということでよろしいんじゃないでしょうか。


しかし、これだけ場所も年代も近いのに、佐々木小次郎と朝倉氏とはいくら調べてもつながりませんでした。
想像して楽しむなら、つながってた方がはるかに面白かったと思えます。
小次郎が全国行脚に出た理由は、朝倉氏滅亡に対する復讐心だった！．．みたいな。


さて、時刻は午後1時になりました。
急いで福井市を離れ、北陸道で敦賀市へ向かいます。

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